待ち合わせの時刻よりもだいぶ早めに着いた。待ち合わせの時刻までちょっと本屋に寄ろうと思って少し早めに家を出たのだが、乗り換えがうまくいき、本屋で過ごす時間はたっぷりできた。そこで、いつもなら行かない棚に遠征して、本の探検をしようと思った。高額で、しかも私の興味がある分野の本はほとんどないから、大型本コーナーにはめったに足を踏み入れないのだが、きょうは時間がたっぷりあるので、大型本コーナーにも行ってみた。
「おお、こんな本が出ていたんだ」と発見に感動したのが、『地球のごはん 世界30か国80人の“いただきます”』(ピーター・メンツェル+フェイス・ダルージオ著、和泉裕子+池田美紀訳、TOTO出版、2012)だ。このふたりの著者の手による本で、同じ版元からでている『地球家族』は、私のオールタイム・ベスト10に入る傑作だ。そのあと出た『続地球家族』は、それほどでもなかった。『地球の食卓』は、書店で見て、買わないという選択をした。さて、今度の『地球のごはん』はどうかというと、いい。読みたい。欲しい。B4版のような大型本で、オールカラー340ページ。8000円くらいしていてもおかしくないのだが、それが3150円。安い。
しかし、いつものクセで、「アマゾンで確認してからね」というわけで、その場で買わずに、帰宅してから調べた。マーケットプレース(古書市場)に、安い本は出ていなかった。多分、こういう作業はいまならスマホなど携帯IT機器で、その場ですぐに確認できるのだろうが、私は機械が大嫌いだ。
さて、どうする。アマゾンで買うか。本屋で買うか。そんなことを考えているうちに、仕事で読まないといけない本がたまり、不要不急の本のことはすっかり忘れた。そして、しばらくたった深夜、突然あの本の事を思い出し、「もしかすると、近所の図書館にあるかもしれない・・・」と調べたら、あった!
すぐさま借りてきて、今、机に「ドッカーン」と置いてあるのだが、さっきから考え込んでいる。こんな素晴らしい本は、返却期限などいっさい気にせずに、ゆっくりと読みたい。写真の情報量は豊富なので、なにが映っているのか点検していったら、えらく時間がかかる。「よし、買おうか」。他人の本では、どうも情報が身に着かない。落ち着いて読めないのだ。
そんなことを考えつつ、指遊びでアマゾンの「洋書」で、同じ著者の本を調べたら、知らない本が何冊かあった。西洋人が扱う食文化の本では珍しく昆虫食の本があるが、その分野の本は日本語でいくらでも出ているので、わざわざ英語の本を買う必要はないだろう。『地球のごちそう』の原題は”What I Eat Around the World in 80 Diets”なのだが、”What the World Eats”(2008)という本が見つかり、内容はよくからないが注文してしまった。子供向けの本かもしれないという予感があるが、まあ、いいか。英語の本の場合、この次いつこの本に出会えるかどうかわからないという危機感があるので、どうしても書籍購入欲望のブレーキが甘くなる。
というわけで、わずか1週間で” What the World Eats “がイギリスより到着。ほぼA4版でオールカラー160ページ・ハードカバーの本が、イギリスから送料込みで、1000円。
この本は、内容は『地球の食卓』(2006)のように、世界のいくつかの国の1週間分の食材と献立表を載せたものだ。同じ本かと思ったが、こちらの原題は” Hungry Planet”だから別の本かもしれないし、版元が違うと同じ本でも書名も違うということもあるので、何とも言えない。
そこで、ちゃんと調べてみたら、『地球の食卓』の原本”Hungry Planet”を子供向けに編集しなおしたのが、今私の手元にある本だとわかった。あ〜あ。やっちゃった。アマゾンの「カスタマーレビュー」をちゃんと読んでいればわかることなのに、不注意だった。しかも、世界の献立となると、知らない食材と料理名が並ぶので、英語のまま読むのはつらい。だからといって、いまさら日本語版を買うか? 「う〜む」としばらく考えることにしよう。