2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

1748話 日本国内旅行

日本国内をあまり旅していないのは、日本ではつましく暮らし、そのカネで外国の取材資金資金にしたいという基本方針があったからだが、日本にあまり関心がなかったからともいえる。私は風光明媚・神社仏閣・名所旧跡にはほとんど興味がなく、街をただほっつ…

1747話 都道府県

たまたま古本屋で益田ミリの本を見つけた。安いし、旅行記なので買ってみた。『47都道府県 女ひとり行ってみよう』(幻冬舎文庫、2011)なのだが、「女ひとり」で思い出したのはその昔、旅行人編集室でスタッフと旅行記のあれこれをしゃべっていたら、国会図…

1746話 ドイツとロシアの間の国々 その2

プラハで出会ったジョージアからの留学生は、ソビエト、ロシア、共産主義が嫌いで、会話のあちこちにその感情が現れてくる。ヨーロッパで21世紀最初の戦争と言われる南オセチア紛争(別名ロシア・グルジア戦争)があったから、ロシアは彼にとって現在の問題…

1745話 ドイツとロシアの間の国々 その1

あれは多分、今年の2月20日ごろだったと思う。ラジオを聞いていたら、ジャーナリストの青木理が、こんなことを言っていた。 アメリカは、ロシア軍がウクライナに侵攻するなどと言っているが、そんなウソにだまされてはいけません。ロシアがウクライナに攻め…

1744話 初めての沖縄

大雪の京都から大阪西成に出て数日滞在し、大阪南港から沖縄行きの船に乗ったのは1975年2月だった。「前回沖縄に行ったときはパスポートを持っていてね・・」という話を船客から聞いた。その時の旅が沖縄の本土復帰3年後だという知識はあったが、到着した沖…

1743話 沖縄復帰50年雑話

パスポート? 沖縄復帰50年記念番組が数多く放送されている。そのなかで、「復帰前は、沖縄と日本本土間の渡航にはパスポートが必要でした」という話が何度も紹介されているが、旅行史研究者としては、「それは、ちょっと違うなあ」と言いたくなる。 日本人…

1742話 大阪の天ぷら定食

神保町の天丼の話を書いていたら、大阪の天ぷらを思い出した。 初めて天神橋筋を歩いたのは、天六(天神橋筋六丁目)にある大阪市立住まいのミュージアムに行った時だ。館内に江戸時代の長屋が作ってるのだが、ここに来る最大の楽しみは、桂米朝師匠のやさし…

1741話 神保町の天丼

前回、神保町古本屋巡りの話で「昼は天丼だ」と書いたいきさつは、日ごろよく神保町を歩いている人や、あの近辺で仕事をしている人たちなら、私の連想がわかったかもしれない。 神保町といえば、今ではカレー屋激戦区で、古本屋がラーメン屋に変身した例も多…

1740話 神田神保町散歩 下

神保町の東京堂書店は、立花隆など、小説家やライターなどのエッセイによく出てくる書店で、私の好みにも合う本が多い。出版関係書とか出版業界内幕本が揃っているというわけではない。おそらく、タレント本とか自己啓発本とか健康とか栄養といった売れ筋ベ…

1739話 神保町散歩 中

かつて、神保町に出かけるのは「買い出し」だった。職業的書き手、つまりライターになる前から、デイバッグを背に神保町や高田の馬場の古書店街に行けば、十数冊は買っていた。古本屋歩きをする者の共通認識なのだが、「見つけた本は一期一会、再会できる可…

1738話 神田神保町散歩 上

今年初めて上京し、神保町をうろついた。連休中にわざわざ出かけたのは三省堂神保町店が「老朽化」のため建て替えることになり、最後の営業が5月8日だと知ったからだ。あの店舗に深い思いはないが、新店舗が完成するまで生きているかどうかわからないので…

1737話 台湾 メニューを読む

台湾に「冰果室」(ピングォスー)という飲食店がある。ほかに、「冰菓室」、「冰果店」、「冰菓店」という表記もあるらしい。狭義には「かき氷屋」だが、冬に軽食も出す。喫茶店など台北のような大都市のホテルにしかなかった時代、このかき氷屋は喫茶店の…

1736話 台湾 看板を読む 

台湾の本と言えば、食べ物、小説、建築が、今の3本柱かもしれない。 「台湾の建築の本がかなり出ていますね」と、『味の台湾』の翻訳者川浩二(かわ・こうじ)さんにすると、「建築の本ばかり出ても困るんですが・・・」と言って笑った。たしかに、かたより…

1735話 尿意を催す その5

そういえば、アニメ「魔女の宅急便」にトイレがでてきた。魔女キキが大きな街に住み始めて2日目の朝、ハートの切り抜きがある木の壁がある部屋に出入りするシーンがある。そこはトイレだろうという想像はつくが、ハートの切り抜き窓の意味がわかった日本人は…

1734話 尿意を催す その4

このコラムは前回で終わる予定だったが、食べることと出すことは毎日繰り返しているので、ネタには困らない。しかも、旅行者同士の雑談でもよく出る話題なので、レパートリーも広い。「そういえば・・・」と思い出すことが限りなく多いのであと2回続編を書く…