2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

1804話 若者に好かれなくてもいい その4

旅と数字の話の続きを書きたい。 旅行関係の記事をネットで探していたら、天下のクラマエ師こと蔵前仁一さんへのインタビュー記事がヒットした。2020年のインタビューで、その最初の質問が「今まで何か国くらいを回ってらっしゃいますか?」だ。こういう質問…

1803話 若者に好かれなくてもいい その3 

タイでは、タバコの持ち込みは200本までは許されるが、それを超えるととんでもないことになるそうだ。その例のひとつがこれ。電子タバコの持ち込みは禁止で、もちろん所持も禁止。違反した場合は、最高懲役10年。しかし、マリファナは所持も販売も自由。露店…

1802話 若者に好かれなくてもいい その2

またパソコンのトラブルで、ワードに書いた原稿が突然取り出せなくなり、更新がちょっと遅れた。機械は、嫌いだ! カネもかかるし。 さて。 昔の話に興味があるかどうかは人それぞれだから、聞きたくない、興味がないという人もいるだろう。私は、父や祖父母…

1801話 若者に好かれなくてもいい その1

高田純次はテレビのインタビューで、年をとっても若者に支持されるヒケツは次の3点だと説明した。 思い出話をしないこと。 自慢話をしないこと。 説教をしないこと。 しかし、この3点は高田のオリジンナルではなく、昔から中高年になった男は気を付けてき…

1800話 旅とクレジットカードと医者と

自称Amazonからの怪しいメールはほぼなくなったが、あやしげな薬を売りたいらしい英語のメールはひっきりなしに来ている。数日前から来ているのは、自称みずほ銀行からの「外貨預金の再登録のお願い」だ。私がみづほ銀行の口座を持っているという情報が洩れ…

1799話 旅と食い物とガイドブック その3

ロンリー・プラネット社が出したポケット版食文化ガイド”World Food”シリーズの”Thailand”(2000)を例にして、内容を点検してみよう。書き手は、Joe Cummings。ロンリープラネットの旅行ガイド”Thailand”ほか数多くのガイドブックを書いているライターだ。…

1798話 旅と食い物とガイドブック その2

2000年ごろに、ロンリー・プラネット社が”World Food”シリーズを出した。私は片っ端から買っていったが、全部でどれだけ出版されたのかわからない。ロンリー・プラネットのHPで確認しようとすると、「クッキーを入れれば見せたやる」という態度なので、見て…

1797話 旅と食い物とガイドブック その1

自由に旅行に出かけられない時代になって、『地球の歩き方』は「目の旅図鑑」とでもいった本を次々と出版している。料理関連に限って書名をあげておく。 2021~2022年に出版された本だ。 『地球のかじり方 世界のレシピBOOK』 『世界の地元メシ図鑑』 『世界…

1796話 Bangkok R&R hotels 後編

元R&Rホテルのなかで、例えばマレーシアホテルは少々カネを持った個人旅行者を相手にしていた。1970年当時、まだバックパッカーという語は一般に広まっていない。安宿街カオサンがまだなかった時代、西欧的な快適な滞在を希望する旅行者は、「安くて、いい」…

1795話 Bangkok R&R hotels 前編

このブログのちょっと前の話で、「バンコクで遊んでいた」と書いたが、その意味は、バンコクという場所で遊んでいたという意味と同時に、バンコクをネタにして遊んでいたという意味でもある。 タイの現代史、とりわけ観光史はホテルの軌跡を追うことだろうと…

1994話 論文と読書ノート

京都大学人文科学研究所は、その前身となる東方文化学院京都研究所から考えると、そろそろ100年の歴史になる。そこに姿を見せた歴代の研究者たちの姿を描いた『京大人文研』(斎藤清明、創隆社、1986)を読んでいたら、こんな一節があった。時代はおそらく19…

1793話 地域の専門家 その4

タイの専門家になる気はないのに、『バンコクの好奇心』を書いた後もバンコクに居続けた理由はいくつかある。ナイロビの後アフリカのほかの都市や中南米の都市を選ばなかった理由は、何度も通うには交通費がかかりすぎることと、滞在費は質と金額を考えれば…

1792話 地域の専門家 その3

すでに書いた話だが、今回の話題と関係があるので、またその話を書く。 ある会合で、知り合いの教授が「タイの農村を研究している院生です」と、若者を紹介した。ある村に通い、そこでの研究をまとめた博士論文を書き終えたところだという。街好きの私は、そ…

1791話 地域の専門家 その2

東アフリカの旅を終えて、次の長期滞在地はバンコクに決めた。それまでなんども訪れているバンコクに腰を落ち着けて、バンコクの本を書いてみようかと考えたのだが、タイの専門家になりたいとは、もちろん思ってもいない。その時は、1都市を主役にした本を…

1790話 地域の専門家 その1

民族学者というより食文化研究の大家と言った方がなじみがあるかもしれない石毛直道さんに、あるときこんな質問をしたことがある。 「どこかの国に留学したり長期滞在して、その国やある民族の専門家になろうと思ったことがありますか?」 石毛さんはフラン…