2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

942話 イベリア紀行 2016・秋 第67回

トイレ トイレを意味するスペイン語はいくらでもあるが、住宅用と公共用で言葉が違う。日本語の場合、家庭でも職場でも、「トイレ」だが、スペイン語では、家庭用をbano(記号省略、バニョと発音する)という。スペインの植民地だったフィリピンでも、banyoと…

941話 イベリア紀行 2016・秋 第66回

インド小魔術団[ごあいさつ パソコンが急にぶっ壊れ、人間でいえば前後不覚となりましたが、優秀なパソコン技術者の努力のおかげで復活しました。原稿用紙にして100枚ほどの原稿が消えてしまい、「まあ、これで終わりでもいいか」とちょっと諦めたのです…

940話 イベリア紀行 2016・秋 第65回

生ハムの正体 「生ハム」という語はよく耳にするが、実はどういうものか、よく知らない。スペインを旅しても、余計にわからなくなった。そこで、これを機会にちょっと調べることにした。 ハムやソーセージの専門書でも、「スペインの」と限定すると、資料は…

939話 イベリア紀行 2016・秋 第64回

生ハムの日々 考えてみれば、スペインでは毎日のように生ハムを食べていた。日本では高いし、あまりうまくないものも多いので、この機会に存分に味わいたいと思ったのである。マドリッドで生ハムを食べ歩いてわかったことは、マドリッドの生ハムは、観光客の…

938話 イベリア紀行 2016・秋 第63回

ご近所のよしみで、「ゲルニカ」を 昼飯が遅かったので、夕方になってもまったく腹が減らない。そこで、夕食前の散歩に出ようかと思った。散歩の行き先をソフィア王妃美術センターに行ってみようと思ったのは、ゲルニカに行ったので、ピカソの「ゲルニカ」を…

937話 イベリア紀行 2016・秋 第62回

コーヒーを探って その3 カフェで使うカップは全国で何種類くらいあるんだろうか。日本ではどうなんだと考えても、コーヒーカップの大きさやデザインが多すぎて考えるだけ無駄なのだが、スペインではたぶんできる。「5種類以下」あるいは「3種類以下」と言…

936話 イベリア紀行 2016・秋 第61回

コーヒーを探って その2 中国国際航空の機内で隣り合わせたスペイン人医師と、コーヒーに関する雑談会をした。 「スペイン人は、少量のコーヒーを1日に何度も飲むというのが好きなんだという気がしていまして、私のように1度にコーヒーをがぶがぶ飲むような…

935話 イベリア紀行 2016・秋 第60回

コーヒーを探って その1 スペイン人が飲んでいるコーヒーの基本は、エスプレッソを小さなカップで飲むカフェ・ソロだ。ミルクなし、砂糖は好みの量を入れる。その量は、現在の日本人からすれば、「けっこう甘い」というほど入れるようだ。ミルクを入れるコ…

934話 イベリア紀行 2016・秋 第59回

パンが、ちょっとね マドリッドのそのパン屋では、ハムかソーセージのサンドイッチとコーヒーの朝飯が多かった。朝の飲み物は、カフェ・アメリカーノ(アメリカン・コーヒー)を2杯。朝食に甘いパンがあまり好きではないので、サンドイッチにした。パン屋だ…

933話 イベリア紀行 2016・秋 第58回

朝飯 マドリッド滞在でほんの少々不満だったのは、朝飯を食べる場所だった。 私は朝起きたら、すぐに朝飯を食べたいタチなのだが、宿のすぐ近くには朝早くからやっているカフェはなかった。もっとも近い店で5分は歩かないといけなかった。昼間は10キロでも15…

932話 イベリア紀行 2016・秋 第57回

スペイン人の英語力 バスで席を隣り合わせた韓国人夫婦との雑談で、2点だけ「あれ?」と思うことがあった。ひとつは、「セゴビアでは、韓国人旅行者にひとりも会わなかった」と夫婦が言ったときで、私はここで旅行者たちが話す韓国語を耳にしたことは何度も…

931話 イベリア紀行 2016・秋 第56回

韓国人夫婦 セゴビアでバスを降りた乗客は10人ほどだった。私よりもだいぶ前を歩いている中年夫婦は、「さて、どっちに歩いたもんだろう」と迷っているふうで、日本人かもしれない。黙って通り過ぎるのは失礼かと思い、「おはようございます」と声をかけたら…

930話 イベリア紀行 2016・秋 第55回

セゴビアへ マドリッドを基地にして、近郊に出かけようという計画もあったのだが、街歩きがおもしろくて、日帰り旅行をしたのは石積みの水道橋で知られるセゴビアだけだった。セゴビアは2度目になるはずだが、1975年の旅はほとんど覚えていないのだ。 マドリ…

929話 イベリア紀行 2016・秋 第54回

DVDを買ってみる 散歩をしていて、中古DVD屋を見つけた。2枚で5ユーロという表示がある。スペインのDVDは日本のDVDプレーヤーだと再生できないことが多いが、幸運ならパソコンでは見ることができるかもしれない。以前、ポルトガルで買ったアマリア・ロドリゲ…

928話 イベリア紀行 2016・秋 第53回

スペイン映画を見に行く その4 映画のストーリーとは直接は関係ないことだが、気がついたことを書いておきたい。 まず、「神よ、許し給え」の話だ。この映画には、スペイン語とアマリアのポルトガル語以外に、外国語がちょっと出てくる。フィリピンの言葉だ…

927話 イベリア紀行 2016・秋 第52回

スペイン映画を見る その3 次の週に公開された映画が、”100Metros”だった。その意味が「100メートル」だということはすぐにわかる。ポスターはトライアスロンらしい光景がうかがえる。英語字幕なしの上映だが、たぶん、ややこしい内容ではないだろう。 昔の…

926話 イベリア紀行 2016・秋 第51回

スペイン映画を見る その2 この映画には、押さえておかなければいけないポイントが、少なくとも次のふたつある。 まず、アマリア・ロドリゲス。 ベラルデ刑事の部屋には高そうなオーディオ機器が備えてあって、スピーカーと対峙するかのように座り、大音響…

925話 イベリア紀行 2016・秋 第50回

スペイン映画を見る その1 今回のマドリッド滞在中にぜひ行きたいコンサートはなさそうなので、映画をチェックした。スペイン映画はそれほど多くは製作されていないだろうから、ちょうどうまく上映しているかどうか不安だった。*註 宿近くのシネマコンプレ…

924話 イベリア紀行 2016・秋 第49回

川を見に行く その5 食後、バッグから地図を取り出し、現在地確認をした。つまり、「私は、今、どこにいるのか?」 コーヒーを持ってきたおばちゃんに、「ここはどこ?」と地図を差し出した。私よりちょっと若いくらいのおばちゃんは、地図を手に持ったが、…

923話 イベリア紀行 2016・秋 第48回

川を見に行く その4 公園の散歩を続けていたら、自動車の走行音が聞こえてきた。大通りに近づいたらしい。鉄柵の向こうに大通りが見える。殺風景な公園散歩には飽きてきたし、朝飯を食べて以後、飲まず、食わず、出さずだから、どこかで昼飯にしようと思い…

922話 イベリア紀行 2016・秋 第47回

川を見に行く その3 マドリッドの市街地のはずれから、カサ・デ・カンポにロープウエイが運行しているのだが、運航期間は夏季のほかは土日祝日のみということらしい。空からマドリッドを見るいい機会だとは思ったが、土日に出直す気にもなれず、公園の散歩…

921話 イベリア紀行 2016・秋 第46回

川を見に行く その2 地図によれば、この川はRio Manzanaresという。この語で思い浮かぶことがある。manzanaはリンゴのことだ。食べ物のスペイン語は多少知っている。manzanarは「リンゴ園」のことだと辞書でわかる。Manzanarは、スペイン語では「マンサナー…