338話 私の韓国映画ベスト20

 私は韓国研究者でもないし、とりたてて映画ファンというわけでもないが、考えてみれば、韓国映画はけっこう見ているような気がする。韓国に限らず、テレビドラマはあまり見ないが、映画だと、とりあえずは触手が動く。
 どこの国の映画であれ、初めから見る気がしないのは、ホラーだ。アクションもあまり見る気がしない。韓国映画にはあまり多くないのかもしれないが、CG、FSX、そして火薬の大安売りのような映画は見る気がしない。あるいは、「芸術の香り高い」などと評される、わけのわからん独りよがりの映画も見る気がしない。
 ここで選んだ20本の映画に、はっきりとした選定基準などといった物差しが特にあるわけではない。世評はいっさい考えない。映画としての完成度よりも、私の好みに合うかどうかという「感情、感覚」を重視した。したがって、映画の出来としては大力作と言えるが、「好きだ」とは言えない「オールド・ボーイ」は、ベスト20に入らなかった。
 1970〜90年代の映画ももっと見たいのだが、なかなかチャンスがないのが残念だ。各テレビ局は。現在放送している韓国ドラマの、せめて十分の一の本数でいいから、昔の韓国映画を放送してほしいのだが、韓流おばさん&おねえさんたちは、映画にはとんと興味がないようなので、だめでしょうね。
 韓国映画のなかから、印象に残っている映画、いまもまだ映像の断片が脳裏に焼き付いているような映画を選んでみた。順位をつけるのは不可能なので、制作年順に書き出すことにした。当然ながら、これは私の個人的感覚なので、「あの作品が入っていないのはけしからん」と文句を言われても困る。

「鯨とり ―コレサニャン」(ペ・チャンホ、1984
「神様こんにちは」(ペ・チャンホ、1987)
「風の丘を越えて 〜西便制」(イム・ゴンテク、1993)
「祝祭」(イム・ゴンテク、1996)
八月のクリスマス」(ホ・ジノ、1998)
ペパーミント・キャンディー」(イ・チャンドン、1999)
「JSA」(パク・チャヌク、2000)
猟奇的な彼女」(コク・チェヨン、2001)
「おばあちゃんの家」(イ・ジョンヒャン、2002)
「オアシス」(イ・チャンドン、2002)
殺人の追憶」(ポン・ジュノ、2003)
彼女を信じないでください」(ペ・ヒョンジュン、2004)
「大統領の理髪師」(イム・チャンサン、2004)
「トンマッコルにようこそ」(パク・カンヒョン、2005)
「ダンサーの純情」(パク・ヨンブン、2005)
「恋の罠 −淫乱書生」(キム・デウ、2006)
「とかげの可愛い嘘」(カン・ジウン、2006)
「GOGO 70s」(チェ・ホ、2007)
「あなたは遠いところに」(イ・ジュニク、2008)
「息もできない」(ヤン・イクチュン、2008)
 次点候補 
 さて、困った。たまたま(ホントに、たまたまだが)、ベスト20本に入らなかったけれど、「あれ、よかったよなあ」と思いだす映画がいくつもある。なかには記憶がはっきりしない作品もあるが、作品名をあげてみようか。
 「風吹く良き日」(1980)、「受取人不明」(2001、キム・ギドク作品は好きではないが、これはちょっといい)、「ラブ・レター 〜パイランより」(2001、「甘い」と言われれば、確かに甘いが・・・)、「シルミド」(2003)、「クライング・フィスト」(2005)、「王の男」(2005)、「牛の鈴音」(2008)、「映画は映画だ」(2008)、「イテウォン殺人事件」(2009)・・・、まだまだあるなあ。